「イライラする!」
30代が近づいて、感情のコントロールが難しくなってきたなと感じていませんか?
特に生理が近づいてくると、ちょっとしたことにもムカっときてしまい、彼氏や旦那に当たってしまうなんてことも。
イライラした感情は時に自分でもどうしようもないくらい湧き上がってきて、悲しいほどコントロール不能になることもありますよね。
生理前はホルモンの影響もあっていつもよりも感情的になってしまうものです。
そんな時は自分を責めるのをやめて、漢方の力に目を向けてみるのはいかがでしょうか。
イライラには「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」
抑肝散加陳皮半夏は「よくかんさんかちんぴはんげ」と読みます。
なんだか読みの音だけだとへんてこな印象を受けますが、漢方の考え方に即した説明を見ていると「なるほど!」と納得でした。
漢方では、「肝」という考え方があり、文字通りの「肝臓」という意味だけでなく、精神や自律神経の機能・はたらきも含めた幅広い概念として考えています。「肝が高ぶる」とは、精神が高ぶることであり、怒りやイライラが現れます。
【漢方解説】抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)|漢方セラピー|クラシエ
自律神経は生活リズムが崩れると乱れてしまい、体にあらゆる不調を与えるほど、大事な器官です。
不規則な食事、人間関係や仕事からのプレッシャー、ストレス、急激な気温の変化、寝不足、音や光なども自律神経を乱れさせる原因になってしまいます。
ストレスが多いといわれている現代人は、みんな「肝が高ぶっている」人が多いのかもしれませんね。
漢方から考える生理前のイライラ悩む女性が多い理由
また、「血(けつ)」が不足していると、ストレスに対する耐性が低くなってしまいます。そのため、「血」の不足で、ちょっとしたストレスでも「気」のめぐりが阻害され、イライラ、怒りっぽい、などの症状が出てしまいます。とくに、「気」のめぐりが悪く、その怒りが強い場合は、いわゆる「感情を抑えられない、物に当たる・・・」といった行動をとってしまうことがあります。
【漢方解説】抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)|漢方セラピー|クラシエ
女性にはキーワードとなる「血」が出てきました。
毎月生理がやってくる女性の体にとって、血はとても重要ですよね。
漢方では、血の不足によって気の巡りが阻害されることで、イライラといった症状を引き起こしていると考えられています。
この考えからから見てみると、生理前にイライラが抑えきれなくて自分でも驚く、というのも納得できますね。
抑肝散加陳皮半夏の効果は主に2つ
- 自律神経の安定
- 胃腸の働きを整える
抑肝散加陳皮半夏は自律神経の安定に作用する
抑肝散加陳皮半夏によって、自律神経を調整しながら、血を補って気、血を巡らせる処方がなされます。
それによって、肝の高ぶりが抑えられて、気、血のめぐりが良くなっていきます。
すると、ストレスからくる体への影響を除いて、自律神経を安定させることにつながるのです。
精神安定剤みたいに落ち着くのかな?と思うかもしれませんが、あくまでも気、血のめぐりが悪かったところをスムーズにして、その結果自律神経が安定するという仕組みなので、イライラを即効抑えてくれるものではありません。
抑肝散加陳皮半夏は胃腸の働きも整える
胃腸の働きを整える作用もあるため、胃が弱っている時でも服用しやすくなっています。
抑肝散加陳皮半夏は「肝」の高ぶりを抑える作用のある「抑肝散」に「陳皮」と「半夏」を加えた処方です。
この「陳皮」というのが胃の不調に関係している漢方です。
漢方的には、健胃、去痰、理気の効能があり、消化不良、食欲不振などの胃部不快感を取り除くのに用いられています。
陳皮(ちんぴ)|生薬辞典|漢方薬・生薬大辞典 - 漢方薬のきぐすり.com
強いストレスを感じていると胃が荒れるため、いくら漢方であっても服用を躊躇しそうですが、抑肝散加陳皮半夏は胃腸のことも考えて作られているので安心ですね。
ただし、もともと胃腸が弱く病院にかかっている場合は医師に相談してから服用するようにしてください。
抑肝散加陳皮半夏には副作用がある?服用の注意点
抑肝散加陳皮半夏は、親子で飲める「母子同服」の漢方として用いられてきたそうです。
子どもも飲める漢方と分かれば、不安要素がほとんど消えますね。
ただし、漢方であっても副作用が起こる場合があります。
抑肝散加陳皮半夏の場合は、皮膚に発疹・発赤、かゆみが副作用として出ることがあるそうです。
以下、用法容量、注意点をまとめているので、しっかりと把握しておきましょう。
- 成人は1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用
- 1歳未満の子どもや妊娠の疑いがある場合は医師に相談
- 胃腸が弱い、治療中などは医師に相談
- これまでかゆみなどが出たことがある
抑肝散加陳皮半夏の効果はどれくらいで分かる?
抑肝散加陳皮半夏には「1ヶ月ほど服用しても効果が見られない場合は、医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。」と注意書きされています。
早くイライラする生活から抜け出したい!と希望を胸に抑肝散加陳皮半夏を手にするかもしれませんが、即効性があるものではありません。
体の中にじっくりアプローチして巡りを良くするところから始まるので、効果を感じるためには長い目で見る必要があります。
抑肝散加陳皮半夏は上手に活用しよう!
ストレスの元になっているものが分かっているならば、そこから抜け出すなり改善するための行動も大切です。
自律神経の乱れも、生活習慣を見直せば多少は改善の余地があります。
漢方は一般的に言われている薬よりも副作用が少ないというイメージを持たれていますが、副作用が絶対にないものではありません。
なので、頼るべき時には頼る、でも現状を回復させるための自分なりの行動も大切です。
自分の体を守ってあげられるのは、結局は自分です。
イライラに悩んで自分を責めてしまう前に、こんな漢方があるということを知っておくだけでも心強いはずです。
お守り代わりに抑肝散加陳皮半夏をおうちにストックしておくのもアリですよ。
ストレス発散にはこんなドラマもおすすめです☆